42名もの宣教奉仕者が選任された。奄美宣教始まって以来の出来事。1891年にフェリエ神父様来島以来の宣教はもっぱら宣教師たちの働きによるものだった。今回の専任式は、そういう意味で一時代を画するものだ。
かつて、カプチン会の司祭たちが引き上げるとき「宣教師をもう少し送ることができたら奄美全島がカトリックになっていたのに」と悔やんだという。奄美はもともと本土と違って特定の宗教がなく、アニミズムの世界だったこともあり、福音という新しい価値観に触れると受容は早かった。集団洗礼もあちこちで見られた。
時は流れ、奄美も豊かになり、それと同時に心の飢えも癒されたと感じる人々が急増。受洗者も激減し、それに比例して召命も減少。そんな時代の流れの中で教会の弱体化に歯止めをかけようと立ち上がった奄美司祭団。地区長を中心に他4つの小教区の主任司祭たちが長い時間かけて養成した42名が各地に派遣されていった。
選任式のことばと共に各自に聖書が手渡された。「私はあなたを宣教奉仕者に選任し、主のみ言葉を授与します。このみ言葉を自ら忠実に守り他の人に伝え、実り豊かなものとなるよう祈ります。」正確には覚えていないが、こんな風な意味のことばを42回繰り返した。言う方も大変だったが、聞いているだけの会衆も大変だったに違いない。
42名の今後の活躍に少しでも役立つことを期待して、いつくしみの特別聖年公布の大勅書、“イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔”を同時にプレゼントするはずだったが、台風のため郵送が間に合わず残念だった。12月8日の大聖年開始に向けて、また1年を実りあるものとするために主任司祭と共に学んでほしい。
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