ローリー君
今回のMEアジア会議のテーマは「愛は全てを変える」。代表が紹介した話は衝撃的だった。ローリー君は司祭叙階を1ヶ月前に控えたフィリピンの神学生。地方に住む人々にとって司祭叙階は一生一度の一大イベント。家族は、特大の水牛を求めて当日に備えた。ところが、母親が癌であることが判明。治療費捻出のためにはせっかく購入した祝い用の水牛を手放すしかない。家族や地域の人々にとってはまさに断腸の思い。苦渋の決断を迫られることに。
愛は全てを変える
一方、「結婚するならこんな人」と若い女性なら誰もが憧れる好青年のローリー君。何を思ったか、突然、神学校を去って結婚すると言いだした。病いの床にある母親にそのことを告げると、母親は、一言も口にすることなくただ涙するだけ。沢山の失望の言葉を聞くに違いないと思っていたローリー君は言葉を失った。やがて、彼は神学校に帰ることに。いったい彼に何が起こったのか。「愛は全てを変える」。司祭の口から出たテーマに思わず胸を突かれた。「水牛は売られることもなく、めでたく屠られたのでした。」今度は安堵と喜びの涙が会場を覆った。ちなみに、ローリー君ははれて司祭とbなり活躍中だという。
養成プログラム
アジア会議は世界会議で取り上げられたテーマに従って進められることになっている。こうして、MEが世界共通の霊性のもとに運営されることになる。今回はエクアドルのキトで開催された世界会議に従う。もちろん、深め方は今回のローリー君の話のように地域色によって違う。今回は、次の三点を中心に「どんな種類の愛を分かち合えばいいのか」を深めていくことになる。①婚姻(叙階)の秘跡の中で神の愛を見出す。②奉仕の中で神の愛を見出す③共同体の中で神の愛を見出す。神の愛の広さと深さが司祭とアキアケを通して深められていく。その様子を分かち合いたいと思う。ともあれ、こうした一連の導入としてのローリー君の話は奥が深い。
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