県民の森へ
「あ、霧島のお土産、忘れてきた。明日持ってくるね。」そんなセリフで朝の挨拶をしなければと、駐車場から幼稚園に急いだ。おや、通園バスの準備をしている時間なのに誰もいない。「あ、ココも参観日だった!」なんということか。自分の幼稚園のことなのに。ということで、とんぼ返りの途中でひらめいた。「そうだ、野鳥観察に行こう!今日は目いっぱい楽しめるぞ!」早速、それらしい支度をし、食事のおばさんには「お昼不要」を告げて、カメラを背に事務所に下りた。「帰りには温泉」の心積りも。朝礼の後、「姶良の山奥あたりへ…」と言い残して本部を出たもののココという当てがあるわけではなかったのだが、これまた走っているうちに「県民の森」と決まった。走りながら考える癖は治らない。一時間は十分走ったと思った頃案内板の前にたどり着いた。「山奥」の感、十二分。案内板にしたがって「野鳥の森」へ。立派なつり橋もかかっていたので渡ることに。谷の深さがかなりあるところを見ると標高も5,6百メートルはあるのかもしれない。小枝の先でさえずっている小鳥をゲット。調べたが不明。音声は↓
森は深かった
十一時半を回った頃、森を抜けて藺牟田池を目指したものの、方向は間違っていないようだがなかなかたどり着かない。バス通りに出るまでは人家ひとつない文字通り車一台分の細い森の道がくねくねと続いた。そんな中で、突然目に入った古い一軒家。「こんな山深いころに人が住んでいる!」いやびっくりした。さらに下ると視界が開け、水を張った田んぼがあらわれ、植えたばかりの早苗が弱弱しく風に揺れていた。やっと人の気配が感じられてほっとした。しかし、ふと「限界集落」という言葉がよぎった。途中で手打ちそばを食べる算段だったが、それどころではない。時計の針はすでに一時半を回って二時になりかけているではないか。ようやく目に入った、鹿児島方面は右、川内方面は左のサインに迷わず左を選んだ。しばらくして、宮之城を経て川内行きということが判明した。ここまで来たら藺牟田池までの地図は頭にある。少しホッとした。
カワラヒワとの出会い
今朝の新聞でカワラヒワというの名の小鳥が紹介されていた。どこにでも見かける雀に似た小鳥だとあったので「見てみたいものだ」と漠然と思った。藺牟田池は車で一周できるようになっている。店のある入口とはま反対の一番奥に向かった。車を止めた目の前に黒いトンボがチョウチョのように舞っていた。すばしこくてなかなか撮れない。そうこうしているうちに、ウグイスやヒヨの声に交じってかなり近くでさえずる小鳥を発見。早速望遠でのぞいた。「あれ、今朝新聞で見たカワラヒワではないか!」思わず声を上げた。電線につかまって長いことさえずっていた。なるほどスズメとよく似ている。それにしても、こんなにも簡単に遭遇することになるとは!「どこにでも普通にみられる」というのは本当だった。興奮しながら何枚もシャッターを切った。カワラヒワのさえずり↓お昼はとうとう自販機のミルクラテで済ました。温泉は予定通りかけ流しの「たぬきの湯」。5時半帰着。
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