移住先の小教区の全貌を知りたい
グーグルマップで地図を拡大して地域ごとにプリント。信徒名簿を開いて住所を入力。すると赤いマークが飛び出して「ここです!」とばかりにしかるべき場所に立ってくれる。中には、すっと移動しながらも場所を特定できなくて赤いマークの代わりにそれらしい地域を薄い膜で覆うだけでお茶を濁すこともある。
番地が同じでも特定できないときは集合住宅であることも分かった。こうした作業を続けて2日後には手元の地図が青いしるしと名前で埋まった。その結果、信徒名簿が多くの名前が記されただけの印刷物から、信者たちと出会う大事な手引書に変わった。当分は、グーグルマップの地図との二本立てになるが。
謎解きゲームみたいな楽しい作業の後は
現場に足を運ぶだけ。文化人類学的にフィールドワークと言えばかっこいいが、家庭訪問。午前中のぐずついた天気も上がったようだったので昨日の昼過ぎ出かけることに。先ずは、昨晩、会計監査を自宅でしたいという担当者宅と集まった関係者の家を自力で訪問することに。地図では複雑に見えた地形だがスマホのアプリであっさり特定できた。
なんなく目的を達成できたので気をよくした。「さて、次はどこに。そうだ、ミサの侍者をしてくれるAさんにしよう。」名簿を開いて困った。下の名前が分からない。同性が多いものだから根拠もなく選んで決行。しかし、全くの別人。しかもうんと若い。それでも、人の良さそうなご主人は相好を崩しながら「たまたま家にいてラッキーです」と訪問を喜んでくれた。苦し紛れに尋ねた「あの方」が近い親戚であることも教えてれた。
フィールドワークは人から人へ
若いAさんが教えてくれた同世代という信者宅に向かった。本人とは会えなかったが、母上らしいご婦人が大変親しく歓待してくれたうえに、近くの信者を数名紹介してくれた。初日にしては大成功?意気揚々の帰館。午後のレジオマリエで特定できなかった一人について聞きたい。それに、明らかに「教会の床を傷めない」信者と思えるそっけない対応のKさんについても聞いてみたい。
こうして書いてみて、司祭になりたての1972年、名簿片手に信者宅を訪問した日々が思い起こされた。52年も前の駆け出しの頃が鮮やかに蘇った。計らずも、初心に帰った?!なんとも懐かしい。そのうち当時のことも書いてみたくなった。ともあれ、小教区はやっぱり楽しい。
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