自国語の語感尊重を
16日配信のUCANEWSによると、先日、コロンビア訪問中の教皇が、典礼書の発行に関して日本のようなアジアの司教協議会を含む多くの教会で、考慮すべき対立があることを認める発言をされたという。本文を直訳すると次のようになる。「典礼文や典礼書の(バチカンによる)統制は日本をはじめアジアの多くの教会との一考すべき対立を生んできている。」地球の裏側の遠い南米の国で教皇が日本を名指しで紹介しながら典礼式文翻訳に関して各国の「司教協議会の責務を尊重」(カトリック新聞)すべきだと話された意義は大きい。
効果てきめん
3年前のアドリミナ(司教団によるバチカン訪問)で日本司教団が教皇に直接訴えたことが教皇の中で温められ、ついにあの教会法の一部改正に日本司教団が貢献したことになったからだ。「司教協議会の責務を尊重」何度口にしても特別の感慨が湧く。公会議による典礼改革で日本語分厚い立派な典礼書が出版されて40年余り。しかし、いまだに「試用」の域を出ることのないお試し版典礼書。それというのも、バチカンの審査が厳しくなかなか通してもらえなかったからだ。司教団のメンバーになってからも会議の度に何度も何度も審議したにもかかわらず認可がおりない。ついに堪忍袋の緒が切れた3年前のアドリミナ。少し時間はかかったが、「効果てきめん」と言っていい。
日本教会の底力?
この恩恵に与るのが日本だけではなく、実は、お隣韓国もそうらしい。いつかの日韓司教交流会で、典礼書の翻訳認可のことで不満を述べたら、「うちもそうです」という反応に驚いたものだ。おそらく他の国々でも似たような状況に違いない。だとすれば、こうした国々にも、カトリック弱小国?日本がアジアの教会に朗報をもたらしたことになるわけで誇らしい。日本教会の底力ここにありだ。ともあれ、大切な典礼に関して、日本司教団の熱い思いを教皇が心にかけておられたことが嬉しい。
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