ひっそりと晴れがましく
大隅学園4園の一つカトリック志布志幼稚園がついに落成式の日を迎えた。ひっそりと晴れがましく。矛盾したような言い方だが、新園舎2階ホールを仕切った小ぶりな部屋が会場ということでひっそりと。しかし、設計施工に当たられた方々はもちろん、市長さんからのメッセージもあって、教育長さんからは直々のお祝いのことばもあって、そういう意味で晴れがましく。機会あるたびに口にしてきたことだが、感無量だ。
思い出は尽きず
今では懐かしい思い出になったものの古い園舎を思うと切なさが蘇る。再建など夢のまた夢。朽ちた園舎の窓枠。老朽化の代名詞みたいなものだつた。目にするたびに「まだまだいける!」と物言わぬ老枠を叱咤激励することしかできなかった日々が夢のよう。老朽化と言えば、夏休みに廊下の大改修?を独力でやったことも忘れない。大きくたわむ原因は素人でも分かるが、とりあえず修繕費として100万を計上したものの、学園本部から700万の補填でやりくりしている瀕死の幼稚園としては予算をつけたとはいえさすがためらわれた。「ここはひとつ自分でやるっきゃない!」夏休みに奮起してとりかかった。何日を要したかは忘れたが、大の男がジャンプしてもビクともしない廊下が蘇った。
ほろ苦くも懐かしく
もう一つある。いつだったか、台風襲来に備えて、一番危なっかしい雨戸のない台所の窓の補強に当たった。万全を尽くした(つもりだった)。しかし、朝になっても吹き止まない台風に不安増大。しかも、風は北。つまり強さを増すという吹き返し。はやる気持ちを抑えて現場に急行。急ぎドアを開けて思わず立ち尽くした。補強のコンパネは影も形もなく窓枠はほぼ全滅。雨を伴った猛烈な風がゴーゴーと吹き込んで悲惨そのもの。ナントカしなければ。気を取り直して強風に立ち向かった。何気なく窓枠を触ってみた。すると、枠に残ったガラスの一片が強風にあおられて目の前に飛んで来るではないか。思わず左手を胸にやった。たちまち、親指の付け根から鮮血が流れ出た。近くにあったセロテープで応急処置して、落下したコンパネを拾い上げ、ずぶ濡れになりながら再度窓枠に押し当ててこちらも応急処置。ヤレヤレ。あ、お祝いの話を書くつもりだったのに。ついはまってしまった。それはそうと、2センチほどの傷跡が今も残る。帰りは根占からフェリーで。楽ちんだった。
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